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「ピアニストの筋肉と奏法」

昨日、本屋でこんな本を見つけました。

「ピアニストの筋肉と奏法」 マリナ・フェレイラ著 八重樫克彦・八重樫由貴子 訳

ピアニストの筋肉と奏法 - 音楽之友社 (ongakunotomo.co.jp)

 

生理学と解剖学に基づいた身体に無理のない合理的な奏法、わたしの好物(?)です。このジャンルの本は結構持っているのですが、また買ってしまいました。

私自身は腱鞘炎やジストニア等のトラブルになったことはないのですが、弾きにくさの解消やどうしたら望んでいる音がだせるのか、といったことは常にテーマでした。教えるようになって、自分とは違う他人(生徒さん)の身体からどのように音を引き出すか考えるようになると、身体の構造に即した奏法という視点はますます重要になりました。

さっと一読した感じでは、この本は学習者のためというよりも指導者がまず理解を深め、生徒に伝える際の根拠やボキャブラリーのために役に立つ本かと思います。この内容をそのまま生徒さんにお伝えしても、あくびをされそうな気がします(笑) 図解が多いので、図を示して話すときにも使えそうです。

すでに持っている本とかぶる内容も多いのですが、興味をひいたのは著者の経歴です。ロシア生まれのチリ人ピアニストで、ウクライナで教師資格を取って活躍したのちにペルーに招聘されたとのこと。ロシア・東欧系のメソッドを学んだピアニストが南米という違う歴史文化を持った国で伝えるために、どのようにアプローチしていったのか。国や民族は違えど人間の身体や手の構造は同じですから、どこの国でも通じる考え方であるはずです。きっと、日本のわたしたちにも有用だろうと思います。じっくり読んでいきたいと思います。