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音が変わるとき

自分で気づいたとき、人は変わる

ある日のレッスンで、基礎練習をやっていたときのこと。

小2の女の子が叫んだのが次の一言でした。「あ、弾くんじゃなくて落としてる感じ!」

ピアノを弾く=指先でキーを動かすこと。それはその通りなのですが、前提条件として、腕の重みが指先を通して楽器に伝えられていることが必要です。そのために基礎練習を通して、いわゆる「脱力」=腕の余分な力を抜いて腕自体の重みを利用する感覚、を身につけることをやってもらいます。

彼女も1年近くその練習はやってきているのですが、いま一つ重みが伝わっていない状態でした。うちの教室にくる以前の習慣が影響しているのか、腕の力をぶら~んと抜くこととピアノで音を出すことが彼女の中で結びついていないようでした。

それが今日、ずーっといわれ続けてきたことがようやくストンとお腹に落ちた!

そのとき私が思ったのは、

「だから、ずっとそう言ってるやん!」

ではなく。(ちょびっとは思いましたが(笑))

「いま気づけて良かった!!!」

でした。

1年かかろうが、もっとかかろうが、納得しお腹に落ちたものは、もうその人自身のものです。その感覚を得ることが大切。

わかってしまったらもう先に行ける。

恵まれた体格をしているのに音が細かった彼女でしたが、その時からグランドピアノの深い響きが鳴るように。

「そう、それがあなたの本来の音なのよ!」

今までにない音が出せるようになって、とても楽しそうでした。

 

ピアノに限ったことではないですが、自分で気づいたとき、人は変わりますね。

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