ダンサーのように身体そのもので表現するわけではありませんが、楽器奏者にとっても身体を正しく使って演奏することは、とてもとても大切なことです。身体を正しく使っていないがために、思うように弾けない、いい音が出ないなどの問題も発生しますし、長時間の練習のあげくに身体をこわしてしまうことも、残念ながらあるのです。
ピアノは他の楽器に比べて無理のない姿勢で演奏しますし、長く弾き続けることのできる楽器です。しかし、他の楽器に比べて多くの練習量を要求されることも事実で、そのために、無理のある弾き方の結果、手、肩、腰などに問題を抱えるピアニストが出現してしまうのです。
「身体を正しく使ってピアノを弾くためにはどうしたらよいか」という問題は、様々な方が研究されていて本も出ていますし、セミナー等も開催されています。私は自分自身のためにも、また、生徒さんに正しい弾き方を身につけてもらうためにも、いろいろな機会を通して学んできました。
そして2014年に出会ったのが、チェコのルデェク・シャバカ(Luděk Šabaka)先生のレッスンと、フランスの運動療法士イザベル・カンピオンさんの講座でした。それぞれのレッスン・講座はとても学ぶことが多かったので、項を改めてまた書きたいと思います。国も活動範囲も違うお二人の話に共通して出てきたのが、ロシアのピアノ教育者ネイガウスの名前でした。ネイガウス、そしてシャバカ先生から聞いたハンガリーのヨーゼフ・ガート。この二人の著作を読んで、目からうろこ、そうだったのか!と思うこと、深く納得すること、本当にたくさんありました。
レッスンのテーマの一つでもあり、また他の先生方とも意見交換して深めていきたいところです。
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